2022.5.15 出発点の記録

5月も第2週に入り、少しずつ夏らしい陽気が続くかと思いきや、すっかり梅雨の気配ですね。
お店にとって雨は困りもの。お客さまの足も遠のきます――もともと少ないのですが(笑)。

そんな気持ちも晴れない時にすてきな作品が届きました!!
イラストレーター・久保田寛子さんが店のオープン1年半の記念に描いてくださった、出発点の怖ーい階段をモチーフにした作品です。

久保田寛子さんとの出会いはツイッターで興味を持ったZINE『タコのくに』がきっかけでした。注文した本を読みながら、自分たちもタコのくにの国民と同じように、考える自由、行動する自由を知らず知らずのうちに奪われているのだと気づきました。
いま『タコのくに』は出発点でも一番目立つところに置いて、みなさんに読んでいただきたい1冊となっています。

『タコのくに』|久保田寛子 出発点Webストア

さてその素敵な作品は、お越しになるお客さまの最初の難関〝薄暗くて怪しげな急階段〟を面白く取り上げてくださって、目からうろこが落ちると同時に、とても幸せな気持ちになりました。
そして<何とかこのいまいましい階段を明るくしてやろう>という野心はすっかりなくなりました。
これからは「怖ーい階段」をもっともっと自慢したいと思います(違うかも……)。

久保田寛子さん、ほんとうにありがとうございました。

さて、ゴールデンウィークも終わり、点内のレイアウト変更のために実は少しずつ点内の作品をいったん売り場から移動させていただいています。
計画では入口右側の作家さまのグッズコーナーに本棚を移動し、絵本棚にしたいと思っています。そして入って正面に広がっていた自分の事務所部分の、なんとも生活感あふれた(あまりお見せしたくない……)部分に茶箱と木箱を移動して部屋の仕切りにして、そこに作家さまの作品を新たに展示したいと思っています。

レイアウトの変更など簡単に行くものだと思っていたのですが、考えが甘すぎました。狭い点内で効率よく家具や什器を動かすためにはある程度余白を作らないと無理だということに気づきました。

まず、本棚を動かすためには本を全て取り出して仮置くスペースが必要ですし、木箱の新たな移動先も空けておかなければなりません。まさにパズルの感覚で、なんとも頭が痛い問題ですが、少しずつ時間を見つけて進めていきたいと思います。もしかしたら、どこかのタイミングで数日お休みをいただくかもしれませんが、どうぞお許しください。

そして、早ければ7月から出発点としての新しい取り組みを始めたいと思っています。
店に来てくださったお客さまだけの、新たな本との出会いを記憶に留めておく、そんな試みです。きちんとお知らせできるまでもう少しお待ちいただければ幸いです。

ここのところ、気持ちを揺るがす悲しい出来事が続きますが、こういう時だからこそ、日々の身近な暮らしをもっと慈しみ、楽しまないといけないのかもしれませんね。

また次週も出発点でお待ちしています。