たったの22段。

土曜日は初夏のような気持ちのよいお天気でしたね。
こんな日はいつもなんとなくめんどくさくて登る気にもならない階段も登りたくなってくるもの。
そんな思いで黒板に書きました。

正直、そんな簡単に思いは伝わらないだろうと思っていましたが、なんと! 赤ちゃんを抱っこして、かわいいお子さんの手を引いた若いお母さんが階段を上ってきてくださいました!!
ほんとうにとても頭が下がる思いがしてしまいました。

家族みんなで仲良く店の商品を眺めながら、絵本2冊と作家さんのグッズをお買い上げいただきました。
みんなのうれしく、楽しそうな表情を見ていましたら、すっかりわたしまで元気をもらっていました。

「また来ます!」という笑顔のお客さまの後姿を見ながら、自由に外出できない今、「近くて遠い」22段の階段を上ってきてくださるお客さまには感謝という言葉しかありませんでした。

またぜひ遊びに来てくださいね。

緊急事態宣言以降、人影がすっかり消えてしまいました……。

いよいよ緊急融資の元金返済が始まります。
気持ちも引き締まります。

もう 金曜日?

今日は朝からどんよりのお天気。
午後から雨になってしまいました。

昨年、ギャラリー展示「しゅっぱつ展」をしていただいた月草さんがお見えになり、ご注文いただいていた本のお引渡しをいたしました。
慌ただしい中のご来点でしたが、久しぶりに元気なお声を聞けて元気をいただきました。

もう金曜日、そして本日の営業もまもなく終了です。時間のすぎるのが早い!
今日は1日、持ち込み原稿とずっとにらめっこしていました。ようやくたまった原稿に目を通す余裕が出てきました。

Web配信イベントをもう少し増やしたいと思っているのですが、思ったような企画がまとまらず苦心しています。
もし、当点でこんな話をしてみたいという、奇特な方がいらっしゃいましたらお気軽にご連絡ください!

さて、そろそろ看板の灯を落とそうか……点けるの忘れてました!
明日もよろしくお願いいたします。

正面の棚にもうすぐ新たな作品が収まります!
金曜日のお昼は好きなものを食べる日にしています。
最近はまっているのは「TOKYO LIGHT BLUE HONGO-3」のぶっかけうどんと天ぷらのテイクアウト。うどんは1本ずつすする派。

家に帰ったら真っ先にモフリたいと思います。

はれ のち 元気。

昨日のどんよりしたお天気とはうってかわって、今日は気持ちのよいお天気でした。
店の黒板にもそんな思いを書いてみました。

こんなにいいお天気だったのですが……お客さまのお声を聞くことはかないませんでした。
こういう日もありますね。

さて、4月いっぱいで終了した「芸術新潮売り尽くし祭り」ですが、まだまだ在庫が減りません。
申請を出している古物商免許が下りるまでは、継続して通常よりも割引価格でご提供したいと思っています。

待ちかねている古物商免許ですが、問題がなければ今月中には鑑札が交付される予定です。
お世話になっている神保町の古書店さんが仕入れをサポートしてくれることになっています。
これからは台車を押しながら神保町~湯島の街を行き来することが増えそうです。

いま、出発点のロゴが入った水色のエプロンを作ろうと思っています。
これを着てあちこちに出没してみようかと企てています。

さて、そろそろ家族のもとに帰ります。
明日もよろしくお願いいたします。

‟すいもくきんどう”出発点!

東京都に再び緊急事態宣言が出されました。
コロナウイルス対策が一進一退のなか、店の状況も同じように一進一退が続いています。

昨年10月の開店以来、感染状況を鑑みながらできるだけ出発点を開ける努力をしているのですが、リモートワークや不要不急の外出を控えるという新たな行動様式が浸透しつつあるなかで、店の運営方針もあらためて見直す必要性をずっと感じています。
感染予防の求めに応じて、開点当初から営業時間を細かく変更してきました。
けれども、営業日については月・火の店休日(この日はバスの乗務をしています)をのぞいては、原則水曜日から日曜日までとし、日曜日はイレギュラーでお休みをいただいていました。

しかし今回の緊急事態宣言を機に、今後は毎週日曜日もお休みをいただくことに決めました。
営業日は水曜日から土曜日の4日間。ギャラリー展示やイベントがある場合のみ、イレギュラーとして日曜日を営業することにしたいと思います。
そしてこの貴重な休日は、コロナの収束が見えないなかで、かけがえのない家族と過ごす大切な時間として、またこの先コロナが収束し、来たるべき新たな世の中を生きるための本づくりの準備のために費やしていきたいと思います。

けれども、営業日が減るということは、当然、売り上げも落ちるということです。
わたしが若き日にバイトでお世話になった、いまこうしてひとり出版社を切り盛りするであろうきっかけを作ってくれた善行商事という小さな会社の経営者・佐藤善行社長は、
「従業員は休みが多い方がうれしいけれど、社長はその逆なんだよ!」
と、いつも苦笑いをしながら経営の苦労話をしてくれました。当時のわたしにはその言葉の意味を真面目に聞くどころか、理解すらできませんでしたが。

今回の決断はわたしとってはとても大きな出来事です。が、決めたからにはそのなかでやりくりできる方法を見つけ出さなければなりません。
それは苦しくもありますが、挑戦しがいのある取り組みでもあると思っています。

半分やけになりながら、ふち口ずさんだ言葉が、
「すいもくきんどう出発点!」
でした。意外にいい響きです。
これをもう一つのキャッチフレーズにして出発点をさらに盛り上げていきます。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

場所との出会い3

翌日から、ずいぶんと悩む日々が続きました。
思ったほどの家賃ではないにしても、4か月分の保証金と前家賃1か月分を用意するのは、会社にとってはなかなかの大金です。
また、事務所の移転登記や書店を始めるにあたっての事業目的の登記変更など、手続きにかかる6万円ほどの費用も考えておかなければいけません。

タイミングが難しかったのは、ちょうど東京商工会議所の経営相談を通して日本政策金融公庫から融資を受ける「マル経融資」というものを申し込んでいたことです。
移転のために融資を考えていたわけではありませんが、会社も設立5年を迎え「借りることも会社の信用づくりだよ」というアドバイスもあり、無理のない範囲で借りることにしたのでした。
さっそく移転を考えていることを相談員さんに話したところ、移転登記はもう少し先にしてからのほうがいいというアドバイスをもらったのです。
融資実行前に不要不急の行動は起こさないほうがいいという、非常に明快な理由でした。

融資のタイミングに合わせて、移転登記を先延ばしにするのであれば、神田錦町のシェアオフィスの家賃も並行して払わなければいけない。
そうすると、いちばんの問題は家賃の二重発生です。
融資の実行だけでなく、取引先への住所変更案内、税務署や社会保険事務所、金融機関など関係各所への手続き期間を考えると、早くても年内の残り5か月程度は事務所を並行して借りておく必要がありそうでです。
そんなことを考え始めた途端、新たな事務所を借りる計画は一気にトーンダウンしてしまったのです。

気がつけば7月も終わりに近づいたある日。
携帯電話が鳴りました。大家さんでした。
「もう入居はお決めになりましたか」
わたしは転居のタイミングについて正直に悩んでいることを話しました。すると、
「もうお一人見たいという方がいらっしゃって、7月30日に来たいと言ってるんですがね……」

最後の決断をしなければいけません。
「一日だけ待ってください」
その夜は皮算用もアルバイトも何でもありで、電卓をたたき続けたのです。

場所との出会い2

その翌日から、ずっと大家さんにそれとなく話をしてみる機会をうかがっていました。
ふだんから自転車でよく出かけられている大家さん。いつも夕方になると創樹社美術出版のそばに自転車を停める姿をよく拝見していました。

しかし、こういう時に限って、姿をお見かけしない。
少しずつ焦りが出てきます。誰かに借りられてしまうのではないかと。
正直に、 ずっとお世話にっている創樹社美術出版の伊藤社長に話をしました。
「社長……、真上の部屋が空いているそうです。8.2坪で家賃は64,000円ほどなんです」
社長はその話を聞いて、驚くように言いました。
「えっ!! 家賃、うちよりずいぶん安いな……」
そしてアドバイスしてくれました。
「とてもいい大家さんだから、自分から話を聞きに行ったほうがいいよ」
わたしは恐るおそる3階の大家さんの住まいに伺いました。

大家さんは、わたしの顔を見てすぐに、ああ、いつも事務所にいるあの若造(実際そうではありませんが)と認識してくれたようです。
「上の部屋が空いているのを知りまして……」
話を伺うと、テナントさんがたまたま立て続けに退去して、現在、大きな部屋と小さな部屋の2つが空いているとのこと。わたしは小さな部屋だけをのぞかせてもらうことにしました。
鍵を開けてもらいドアを開けると、最近塗り直した白壁の、ペンキの匂いがかすかにしました。
長方形の部屋には大小窓が二つ。大きな窓の眼下には、サッカー通りを行き交う人も見えます。心地よい風が入ってきました。
<机を置くなら、景色が眺められるこの窓のそばがいいかな……>
すでにそんなことを考えてしまっている自分がいました。

「借りますか?」
不意に飛び出した言葉に、わたしはどきりとしました。
大家さんのいたずらな笑み。たぶん試されていたのだと思います。
わたしは旅と思索社という自分の会社を別にやっていて、その会社の事務所として借りようかどうか悩んでいることを素直に話しました。それから、遠慮がちに、ちょっと悲観的に聞いてみたのです。
「あの……、お店をやるのはやはり難しいですよね?」
「ああ、飲食店以外なら構いませんよ」

大家さんから意外な答えが返ってきたのです。 わたしは色めき立ちました。
「自分の事務所に本を売るスペースを作りたいのです。ときどきイベントなどもやりたいと思っています」
「本屋ですか? いいんじゃないですか? どうせそんなにお客さんも来ないでしょ?」
……うーん、悔しい! どころか、なんとありがたいお言葉!!
事務所としてしか使えないのなら<やっぱり>と思ってあきらめるつもりでいたのに、逆にすっかり背中を押されてしまったのです。
「ほかにも内覧に見える方がいらっしゃいますから、もしお借りになるなら早めにご返事いただけると……いつまでにご返事いただけますか?」

興奮冷めやらぬまま、伊藤社長に大家さんとのやり取りを話しました。すると社長が言ったのです。
「事務所の一部をうちの倉庫代わりに少し使わせてくれるなら援助してもいいよ」

さまざまなチャンスが一度に訪れるとは思ってもいませんでした。
なんだか狐につままれたような一日。その夜はすっかり飲みすぎてしまいました……(いつもか)。

(つづく)

場所との出会い1


今年7月の、暑いある金曜日の夕暮れ。
仕事も落ち着き、そろそろ飲みの誘いでも……と思いながら、わたしは長年お手伝いしている湯島の古美術月刊誌『小さな蕾』の版元・創樹社美術出版の事務所で気だるそうにネットサーフィンをしていました。

見ていたのは、テナント貸し物件の検索サイトでした。
ずっと、人が集まれる場所がほしいなあ……と思っていたわたし。
実際、 昨年暮れには 問い合わせをきっかけに親切にしてくれた神保町の不動産業者の方に相談し、いっしょに手ごろな物件を訪ね歩いてみたこともありました。

希望は、「事務所を兼ねたミニイベントのできる店舗可物件」。
無知なわたしは、事務所を店舗として使うのはハードルが高いということをそのとき初めて知りました。
店舗物件と事務所物件では条件がまったく異なるのです。オーナーも簡単には貸したがらない。
当然、手ごろな物件はそうそう見つかりません。 気に入ったものがあっても、とても保証金や家賃など支払える額ではありません。しかも内装はすべて自腹です。

やっぱり夢のまた夢。わたしはすっかりあきらめたつもりでいました。
―― でも、やっぱりあきらめきれなかったのです!
すぐには実現が難しくてもいつかは……そう思いながらときどき、ふと、自分を勇気づけようと思って物件を探していたのでした。

いつものようにテナント貸し検索サイトの画面をスクロールしていると、一瞬、「清水ビル」という名前が目に入りました。
はじめは気にしていませんでしたが、少し経つとなんだか気になってきます。
再びページを戻って住所を見てみると、文京区湯島。もしやと思い、詳細を見てみると、なんと創樹社美術出版が入居している1階部屋の真上ではありませんか!
外に飛び出し2階を見上げました。いつの間に空室になったのだろう……。
そこには、明かりのつかない薄暗い窓が、ぽつんと顔をのぞかせていたのです。

家賃は共益費と消費税を含んで64,000円弱!
広さは1階とほぼ同じような感じです。
広くはないけれども、わたしにとっては身の丈のちょうどいい大きさに感じられました。
突然、わたしの中にむくむくとした気持ちが込み上げてきました。
なにかが始まりそうな、そんな気がしたのです。

ほんとうに不思議な出会いでした。

(つづく)